家庭菜園を始めたきっかけ

 私は幼児の頃からいわゆる小児喘息に悩まされました。これは中学生ぐらいまで続きましたが、思春期を迎え徐々に症状は軽減。

 ところが軽減と同時に新たに始まったがアトピー性皮膚炎。ともかく体中のあちこちが痒くなり、我慢できずに掻いてしまい、時にはシャツや寝具が血だらけになることもありました。

 この症状は20代まで続き、仕事をする傍ら皮膚科の医者に通ったりしました。一方でどうしてこんな体になってしまったんだろうと自分なりにいろいろ考えました。

 その結果、喘息もアトピー性皮膚炎も体のアレルギー体質ゆえに反応が強く出るんだと言うことが分かってきて、その頃からアレルゲンとなるような食べ物を自分なりに考えて避けるようになりました。

 というわけで、食べ物に含まれるいろいろなアレルゲンについて考えているうちに、普段食べているものの中に含まれる様々な化学物質も怪しいと言うことが分かってきて、徐々に自然食品を求めるようになりました。

 しかし現実のお店で、添加物の少ない自然食品を購入しようとすると、そういったものを生産すること自体大変なコストを必要とするようで、ほとんどのものの価格が「高い」という現実に直面。

 というわけで、今から20年以上前のある時、当時借りていたアパートの前の日もほとんど当たらない地面を耕して、試しに野菜を植えてみることにしました。

 砂利だらけの土をスコップで掘り起こし、そこに園芸店で買ってきたキューリの苗を植え、成り行きを見守ります。

 すると日がほとんど当たらない土地だったにもかかわらず、土との相性が良かったのか、キューリは思った以上に成長。

 慌てて支持棒なんかを買ってきて、隣の家との境界にあるフェンスに旨く辿り着かせるようにしたところ、ある時黄色い花が咲いているのを発見。

 さらに数日後には小指ぐらいの大きさのキューリが出来、これが日を追って大きくなりびっくり。「野菜の生命力は凄いもんなんだな」と感動。

 15cmぐらいの大きさになったとき、我慢しきれずに収穫しようと思って本体を掴んだら、小さなとげがいっぱい出ていて、これにもびっくり。

 「キューリってこういう野菜だったんだ」と思いながら、頭のとげの無い部分を恐る恐るつかんで、はさみで収穫。匂いを嗅いでみると、本来のキューリのかぐわしい匂いが漂ってきてさらにびっくり。

 1本のキューリを恭しく丁重に水洗いしてまな板の上にのせ、包丁で切ってみると、何だか包丁の感触も全然違う。包丁がサクッと入る感じ。

 スライスした断面は、皮の部分がほんのり緑色になっていて、スーパーで買うキューリとはずいぶん違います。食べてみると、「うわ〜、これがキューリ本来の味なんだ」と感動。

 この印象は強烈で、これが以後、自分でいろいろな野菜を作ってみるきっかけになりました。



新じゃが作りで感動


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