缶飲料の価格は高い

 節約を意識して家計簿をつけ始めて分かったことを一つ。それは日常的にほんの些細な消費が一か月まとまると結構大きな額になるということ。

 退職して年金暮らしになって分かったことですが、現役時代と退職後では1万円の価値が大きく変わります。当たり前ですが、年金暮らしとなれば、普通の人は収入が大きく減少します。

 必然的にというか相対的に1万円の価値も上昇します。この時現役時代と同じような意識で消費を続けていると、毎月赤字がかさみ、豊富にあると思っていた退職金もどんどん目減りしていくということになります。

 というわけで、年金暮らしになったら、必要なものだけを必要な分、できるだけ安い値段で購入するという意識が改革が必要です。

 そんな中、現役時代の意識を引きずって、安いんだからこのぐらいはと思ってつい買ってしまうものに、いわゆる100円から200円ぐらいの嗜好品があります。

 特に「実にもったいない支出だな」と感じるのが缶飲料やペットボトル飲料。暑いとき、ちょっと出先で、ちょっと休憩といったときに、目の前に缶飲料の自販機があると、「まあ100円ぐらいだからいいか」とつい手が出てしまいます。

 しかし改めて缶飲料の容量と値段を考えてみると、多くの缶飲料は200〜300mLで100〜150円ぐらい?この値段はお茶だろうがミネラルウォーターだろうが、各種の果実飲料だろうが、基本的にほとんど価格は変わりません。

 というわけで、毎日1本を消費すれば、月に3000〜5000円を消費することになります。

 これをもったいないと思うかどうかで節約の意識が問われると思うのですが、基本的に商品というのは小分けにすればするほど、その手間が必要になり割高になります。

 ということは、どうせ買うなら500mLとか1Lのものを買って、水筒等に詰めて持ち運べば良さそうなものですが、これまた自販機が目に付くと便利なのでつい買ってしまう。

 それでも、大量に買えば安くなるという発想が生まれた人はまだ意識が高い。1Lではなくて、250mLの缶飲料を、24本まとめて購入なんて言う方法もあります。

 これはビール類を買うときも応用でき、缶のビールは1本1本買うより、24本入りのものを買った方が1本当たりの単価は確かに安いです。

 そういった発想に慣れてくると、そもそもたかだか250mLの液体に、100円という額の価値があるのか?ということにも気が付きます。

 改めて考えてみると、最近高騰気味のガソリンは1Lで115円位。250mLなら4分の1の値段30円弱ということになります。しかもガソリン代には、中東方面からの運搬料や、石油コンビナート施設での精製料金も含まれていてこの値段です。

 そう思って缶飲料の値段を見ると、なんか妙に高いなあという意識が芽生えてしまい、私は徐々に自販機のこういった飲料を買わなくなりました。あえて買うときは、ドライブに行って高速のサービスエリアに入ったときに買うぐらいです。

 しかしこれも、例えば麦茶なら、自宅でパックを買ってそれを水筒に詰め持参すれば、お金はかなり安くなります。そう考えると、自販機の飲み物は、小分けにされた便利な飲み物であるという付加価値が大きい、実質的にはかなり高額な飲み物であるということが分かってきます。

 さらにこういった発想に慣れてくると、いわゆるスタバあたりのカフェで飲むコーヒーが実に高いということも分かって来ます。私はハワイ旅行が好きで、お土産にはハワイアンコーヒーを買って帰ってくることが多いのですが、この値段が安いもので200g500円ぐらいです。

 実際に自宅でコーヒーを淹れると、使う豆の量は10gぐらい。つまり単純計算で1杯が25円ぐらい。これをカフェで飲むと200〜400円になるということで、「カフェでくつろぐ」という付加価値が実に大きいことも分かります。

 まあすべてのことにこういった節約意識を持って臨んでしまうと、何をしても割高に感じられ楽しめないということはありますが、何にも考えずに気持ちの赴くままお金を消費するのは問題だということです。


予想していた支出と予想外の支出


節約について


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