総収入と総支出を比較

 前ページまでのまとめですが、65歳から85歳までの20年間の仮の総収入を求めたところ、その結論は8180万円という結果でした。

 一方総支出のほうは、節約生活を貫く場合は7980万円ということであり、ぎりぎり何とかなりそうだということが分かりました。

 しかしいわゆる経済雑誌が言うところの豊かな生活を貫こうとすると、総支出が7980+2400=10380万円となり、家計は遠からず破綻するということになります。

 というわけで、この結果を見てどうするか?というのが問題。ただ基本的には総収入と総支出を比較しているだけですから、このことから考えれば結論は単純。

 生き抜く方法としては単純に以下の方法が考えられますが、もちろんこれらをミックスする方法もあります。

1. あえて何もせずに節約生活に徹する。つまり支出を減らす

 じたばたしないで、日々なすがまま。必要最小限のものを買って、生き抜く。なんだか絶海の孤島でロビンソンクルーソーのような生活をすることにもなりそうですが、そこまで行けば逆に貯金ができるかも。

 要するに、日々浪費や衝動買いを抑え、無駄なものを省いて、必要最小限のものを購入するということです。

 しかしそれじゃあちっとも潤いがない。何のための老後だ!老後は悠悠自適だと思っていたのに・・・と思った人は、今一度、「豊かな生活とはどんな生活か」「悠々自適な生活とはどんな状態か」ということを考え直す必要がありそうです。


2. 働く

 収入を増やす方法は大きく二つに分けられます。一つが働くこと。少子高齢化で人手不足に陥っている日本では、最近70歳まで働いてもらおうじゃないかという考えが、政府側からはっきり提案されるようになった気がします。

 一方現実には、私の周りの高齢者の皆さんは、仕事があれば働きたいと思っている人も多数いるようです。

 働きたいと思っている人の働きたい理由ですが、収入を増やすということの他に、生きがいということもあるようです。ということで、少しでも長く、年金に上乗せする形で収入を得るという方法が考えられます。

 ただし65歳以上の人が何らかの仕事をしようと思っても、現実は厳しい。単純軽作業や頭脳より体力を使う仕事の方が多いようで、そのあたりの労働環境をもう少し整備してくれないと、仕事をやって怪我や病気になるという確率も増えそうです。


3. 退職者専用定期預金

 もう1点。収入を増やす方法は、経済雑誌にもよく書かれていますが、いわゆる投資ですね。もちろん預貯金も投資の一種だと思いますが、現在ゼロ金利政策下では、銀行に定期預金で預けてもその利息は実に少ない。

 私も早期退職をして以来、こういった投資について自分なりに調べて実践していますが、まず最初に絶対に確実に増えるという投資があります。

 これは退職者専用定期預金というもので、退職者だけが1年間だけ享受できる預金です。通常の銀行金利は0.01%ですが、この退職者専用の定期預金の利率は金融機関にもよりますが1%以上を設定していることが多いです。

 これは銀行側にもメリットがあって、銀行の口座を増やすということと、大きな金額の預金が手に入るということです。

 預金者側はほとんどリスクなく1年間運用ができますので、仮に500万円ぐらいを1年間ぐらい預け、利率が1%だったとすると、1年後には5万円の利息が付きます。

 ただし注意点が二つ。まず利息から2割程度の税金がひかれます。もう一つ、年利1%と書いてあっても、その適用期間が1年未満のことも多いです。

 つまり上記5万円の利息は、運用期間が半年だと2.5万程度にしかならないということで、そこからさらに2割程度税金がひかれますから、現実の利息は2万円程度です。

 また金融機関によっては、この退職専用定期預金と投資信託を組み合わせた商品も販売しています。預金金利がさらに高いものになっていますが、これは銀行側のメリットが大きい商品だと思っています。

 理由は単純。組み合わされている投資信託を購入するには手数料が必要で、この手数料が銀行側の収入になるからです。

 つまり購入者側としては、買った瞬間に投資信託の購入手数料分資金が減ることになります。また購入後、購入した投資信託の基準価額が上昇すれば購入手数料の減額分は相殺されることになりますが、もし下落すれば、そのまま損失が発生します。

 というわけで、結論。退職者専用定期預金は、退職後1年間だけ利用できる有利な商品ですが、投資信託と組み合わせたような商品は避けるべきだということです。

4. 投資で運用

 ではその他に投資に適合する商品はないのか?一般的には投資信託の積み立て、株式の売買、FXへの投資、不動産投資なんてのがあるみたいですが、経験者ならともかく、大きな金額をいきなり運用すると失敗した時の動揺が大きいです。

 最低3年ぐらいは小さな額でお試し運用をしてみる必要があります。その意味では、投資信託の積み立てで運用すると、損失リスクは多少低くなるような気がして、私は実際にすでにそういった積み立てを行っています。

 その場合、選択する投資信託は、できる限り購入手数料や運用手数料が低いものの中から選んだほうが良いです。この辺りの詳細は、また別のページで詳しく説明しようと思っています。



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